ESCAPE R DISC タイヤ交換 (Pirelli P ZERO)
ESCAPE R DISCのタイヤ(純正)がひび割れてきたので、交換しました。
目次:
品目一覧
交換前後の品名概要は次のようになります(作業中に発覚したもの含む)。
交換前(純正) | 交換後 | |
---|---|---|
ホイール | GIANT SPINFORCE LITE DISC ETRTO 622-15c |
- |
タイヤ | GIANT ESCAPE R TIRE 700x30C |
PIRELLI P ZERO ROAD 700x28c |
チューブ | KENDA 700x28/32C | Panaracer 700x27-31c 仏式40mmロング |
リムテープ | ノンブランド 18 mm |
SCHWALBE SUPER HP 700C用18 mm |
交換のきっかけ
ESCAPE R DISCを購入して1年が経ち、若干ひび割れが進行してきたのと、そろそろ別なタイヤも履いてみたくなったので交換することにしました。 純正タイヤGIANT ESCAPE R TIRE 700x30Cは、トレッド表面の細かいひび割れ(オゾンクラック?)は半年ぐらいから視認できていたのですが、最近は走るごとにひびが広く深くなるとともにひびを起点にむしれるようになってきたのと、サイドウォールのビードに近いところが深く割れて中が見えてきていたので、交換を決意しました。
タイヤ選び
タイヤ
少し溝があるぐらいでほとんどスリックのタイヤが欲しかったので、PIRELLIのP ZERO ROADに換えてみることにしました。2021年にリリースされたばかりの新しいモデルということもありレビュー自体があまりないのですが、ネガティブな情報がないので買いやすかったというのは否めません。モータースポーツも好きなので、今F1などに供給されているP ZEROブランドというのは、直接的な関りがないのは承知の上でも若干心くすぐられるものもありました(同時に、F1での働き*1に照らせばネタタイヤの予感も漂いますが)。 サイズは、純正の700x30cよりも少し細めの700x28cを選んでみました。
チューブ
交換は必須ではありませんが、最初からついているものはよく分からないし(かといって交換前に外して確認するのも面倒だし)、せっかくなので交換することにしました。 ワイズロードで、P ZERO ROAD 2本とPanaracerのチューブ2本のセット販売があったのが理由でPanaracerの700x27-31c用のものにしました。仏式バルブのバルブ長が48 mmと 60 mmから選べるのですが、見た目で60 mmはないので48 mmにしました。
リムテープ
これも交換は必須ではありませんが、チューブと同じ理由で交換することにしました。太さは18 mmにしました。 純正ホイールのリム幅は15cなのですが、リムテープを付ける部分はリム幅より広がっていてさらに曲面になっているので、使うべきリムテープは15 mmではないのだそうです。一般的には15cのリムには18 mmのリムテープが合うそうで、18 mmにしました。 リム幅15 mmにリムテープ幅18 mmでタイヤは28 mmということで、いろいろ勉強になりました。せめてリム幅とリムテープ幅ぐらいは何か規格で共通の数字で判断できればユーザーフレンドリーなのではないかと感じました。
交換作業
タイヤ交換作業は、MTBで5年前に1回だけ自分でやったことがあるのですが、ほとんど忘れていたのでネットで調べながら手探りでした。
道具
使った道具一式は次の写真の通りです(タイヤ等は1本分)。
タイヤを外し純正パーツが明らかになる
ESCAPE R DISC 2021のホイールは、あえてクイックレリーズではないスキュワーなので、5 mmのヘキサレンチで外しました。 タイヤレバーを入れてバルブ付近のビードを外し、そのままタイヤレバーの後ろ側をスポークに挟んで状態をキープしつつ、2本目のタイヤレバーで全体のビードを外しました。
タイヤとチューブをホイールから外したら、チューブがKENDA製700x28-32cであることがわかりました。また、推定で選択した仏式バルブ長48 mmは純正と一緒で安心しました。
純正のリムテープはノンブランドのクロスタイプのものでした。バンドタイプのものに比べて安いそうです。だいぶ変色していました。幅は、推測で買った18 mmとぴったり同じでまた一安心しました。
リムテープ取り付け
リムテープとホイールのバルブ穴を合わせて、工具を挿して固定し、リムテープをはめました。この工具はどこのサイトやマニュアルでもたいていドライバーが推奨されているのですが、5 mmのヘキサレンチが穴径にぴったりでした。穴径でぴったりで穴位置が全くずれない上に、ヘキサレンチの頭はリムに隠れてしまうのでバルブ穴を真下にして作業もできました。
タイヤとチューブの取り付け
タイヤの箱の内側に、簡単な取り付け方と、幅と体重ごとの推奨空気圧が乗っていました。私の場合は5.5 barが推奨でした。
タイヤとチューブをホイールにはめる
少し空気を入れたチューブとタイヤをホイールに組んでいきました。バルブのリングをゆるゆるに仮締めして、バルブ位置を起点に全体をはめるのですが、「あちらをはめてこちらをはめているとホイールがぐらついてあちらが外れる…」という具合でなかなか進みませんでした。 ホイールがぐらつかないように支持してくれる作業台が欲しいと思っていたら、目の前に上下反転していてホイールがついていないフレームがありました。最高の作業台になりました。
チューブの挟み込み確認
全体がはまったら、空気圧を少し上げて、リムとビードの間にチューブが挟まっていないかの確認をしました。この時、背景となるリムテープが明るい青色だったため、黒いチューブがビードより外に出ていないかの確認が容易でした。
ディスクブレーキの思わぬ恩恵
ディスクブレーキ車はローターに回転方向が明示されているので、回転方向指定タイヤの取り付けで考える必要*2がなくて楽でした。
完成
前後輪の作業をして、交換が完成しました。 F1好きとしては、(多少ネタっぽくても)やはりP ZEROのロゴがテンションが上がります。
走ってみての感想
純正タイヤGIANT ESCAPE R TIRE 700x30Cに比べると、太さが違うこともあって速度が出ました。純正タイヤ30Cで20 km/hで流していたぐらいの感覚でいると、P ZERO ROAD 28Cでは25 km/hぐらい出ている感覚でした。 乗り心地としては、同じか少し高いぐらいの空気圧でもしっとりしなやかな印象を受けました。これは、必ずしも構造やコンパウンドの違いだけではなく、単に1年間使った純正タイヤのトレッド面の硬化が進んでいたという要素もあるので、正確な比較は難しいと思います。 私はさほど距離を乗らない(1年で1000 km程度)上に屋根付きとはいえ屋外保管なため摩耗より先に硬化・ひび割れが来てしまったと思うので、P ZERO ROADではどのようになるのか楽しみにしています。
*1:F1サイドから順位変動を促すためにタイヤの耐久性を抑えるよう依頼されそのように作ったところ、寿命が急に尽きてクラッシュ等が多発し、多方面から非難された。改良後も、F1サイドやチームサイドから耐久性がないとかありすぎるとか、激しすぎるとかつまらないとか言いたい放題言われている。注文が無茶なのかPIRELLIの技術力に問題があるのか、どっちもどっちというのが定説。PIRELLIとしてはF1参加がプロモーションとして必ずしも機能しているとは言えない状態。
*2:「こっちが左側で、前進するには反時計回りに回るから…」などと。
*3:元ネタ:「俺たちのフェラーリ」
ヘッドライト交換(CATEYE - AMPP 800)
GIANT ESCAPE R DISCのライトをキャットアイのVOLT 400からAMPP 800に交換しました。 両者はキャットアイの2大ヘッドライトシリーズですが、VOLTのメリットはバッテリーが交換式であること、AMPPのメリットは照射野が広いこととされていました。街灯一つないうえに路面状況を先の方まで確認できないと危ない道を通るので、AMPPを購入することにしました。
ちなみに、AMPP 800は実店舗限定モデルなので、転売品を除いてネット通販で取り扱いがありませんでした。地元の名の知れたスポーツサイクル専門店で購入しました。
下の写真は、夜間走行時の運転者目線で下を見た様子です。サイドからも光を発するようになっているのですが、ここが突起になっていて上からでも光が見え、少し眩しいのが意外な難点でした。暗闇の中を走っていると、視界の端でも輝度の高い部分があると暗いところが見えにくいのです。
下は、暗闇の道で、AMPP 800とVOLT 400を付け替えて比較した写真です。光束が800 lmと400 lmで異なるので単純な比較はできませんが、AMPPは評判通り照射野が広く、遠くと近くが両方よく見え、路肩や周辺の様子も良く分かりました。必須の近いところをしっかり照らしながら遠くも見通せるので、かなり安心感があります。 VOLTは中心の狭い領域以外は一段暗い明るさで、写真で見るよりも周辺は見づらい印象です。明るい中心部が眩しくて、余計に中心以外が見えにくいのです。むしろ、真ん中の照度を落としてでも広範囲の照度を均一にした方が使い勝手は良いように思います。
バッテリーの持ちは、800 lmのハイ出力で大体80分程度もつ感触です。カタログ値は1.5時間なので、大体使用した感覚と一致しています。45分ぐらいでバッテリー残量を示す電源ボタンの色が黄色、60分ぐらいで赤くなります。 よほど暗いところでないとハイ出力800 lmは必要ないので、基本はミドル出力400 lmで、必要に応じてハイ出力にする運用が現実的でした。
フレームプロテクター
GIANT ESCAPE R DISCを購入して3か月経ちましたが、ブレーキフルードとシフトワイヤーのアウターケーブルとフレームが擦れるところで塗装がかなり剥げてしまっているのに気が付きました。
購入したのは、GIZA PRODUCTSのフレームプロテクターです。シフトワイヤーのアウターケーブルに使われる4 mm径用と、ブレーキラインのアウターケーブルに使われる5 mm用があります。
下の写真のように装着しました。4 mmのシフトワイヤーのアウターケーブルには4 mm用が、5 mmのブレーキフルードのアウターケーブルには5 mm用が完全にフィットしました。大きめ、小さめを買う必要はありませんでした。締め付け具合もちょうどいい感じで、かなり力を入れれば動いて調整でき、走行中などには簡単に動きませんでした。
他にも、同様の箇所に装着しました。
塗装にダメージが生じる前に、もっと早く装着するべきでした。 前に乗っていたMTBは最初からフレームプロテクターがついていたので、必要なところには付けてくれているもので、ついていないということはメーカーが心配がないと判断しているということだと思い込んで油断していました。
ちょっと調べたら、
完成車に付属しているブランドは「LOOK」、「KUOTA」、「BIANCHI」、「FELT」、「LOUIS GAREBNEAU」ぐらいですから、その他のブランドに乗られている人はお店に頼むか、自分で取り付ける必要があります。アウターワイヤーの擦れには要注意! | CozyBicycleのブログ
とのことで、私が以前乗っていたのは確かにLOUIS GARNEAUでした。 しかしLOUIS GARNEAUのMTB (XC CASPER PRO)も硬化したプロテクターが脱落してから数年はプロテクターなしで乗っていて大丈夫だったので、油断もありました。
原因としては、
LOUIS GARNEAUの塗装が強い(GIANTの塗装が弱い)
新車時についていたプロテクターがケーブルに良い癖をつけていたため、プロテクターが脱落してからも接触の度合いが弱かった
あたりが考えられますが、真相は分かりません。
サスペンション シートポスト
ESCAPE R DISCのシートポストをサスペンション付きのものに交換しました。 平滑路面はサスなしで良いのですが、つくばの道は結構荒れている(ひび割れ、雑なツギハギ等)ところが多く、お尻へのガツンガツンという鋭い衝撃が多いので、サス付きのシートポストを導入しました。
導入したのはZoomのサスペンションシートポストです。Amazonで3,299円でした。純正のシートポストと同色のシルバーは構成部品すべてが同色なので、良い意味で目立ちませんでした。
このシートポストの内部は写真のようになっています。左側(取付時上側)のスプリングと、右側(取付時下側)のエラストマーのハイブリッドサスペンションになっています。
Amazonのレビューには、スプリングが伸縮するときに筒の内側面と擦れて音・振動が不快であり、自分でグリスアップすると収まるという意見が多くありました。私もそうしようと思って分解したのですが、この個体のスプリングはかなり入念にグリスアップされており、追加する必要はなさそうでした。
またAmazonのレビューには、動きが固く全体重を乗せても全く動かない、プリロードを緩めきってもあまり改善しないという意見も多くありました。 添付されているマニュアルには
you may use allen key to adjust the tension of coil spring from the nut (E) and/or threaded collar(C).
つまり、調整はプリロードナットとカラーで行うように書かれていました。それぞれの場所は下図の通りです。 カラー(環状の部品)は、上側の軸を締め付けることでサスペンションの振動を収める減衰器の役割を持たせてあるようでしたが、同時にサスペンションの動き出しやすさにも効いているようでした。この個体も、購入時は全体重をかけてもほとんど沈まない硬さでしたが、カラーを緩めると軽く動くようになりました。
カラーとプリロードを調整し、
- 着座しただけで沈む量は1 cm程度
- ペダリングでは全く動かない
- 鋭いガツガツとした衝撃はそこそこマイルドになる
ように調整しました。現在のところ、走りにほとんど影響なく尾てい骨に不快な衝撃だけをマイルドにしてくれているのでパフォーマンスには大変満足しています。
なお、プリロードナットのねじ切り加工が雑で、削りカスが巻き込まれて動きが悪くなっていたので、削りカスを除去・清掃してグリスアップしなおしておきました。他に、可動部分や挿入部分にも十分にグリスアップをしておきました。
スピンミラー装着
ESCAPE R DISCにゼファールのスピンミラーを装着しました。
これまでは前のMTBでバーエンドバーに取り付けていたゼファールのスパイミラーをフォークに装着していたのですが、やはりフォークに装着していては後方確認しにくいので、バーエンドに取り付けられるスピンミラーに交換しました。 なお、ESCAPE R DISCに純正装着されているESCAPE R ERGO LOCK-ON GRIPはエンドに穴があけられないので、グリップもエルゴン GP3に交換しています。グリップに関する記事はこちら。
バーエンドにZefal Spin Mirrorを装着した様子です。調整可能な回転軸が多くあります。いずれの関節もマイナスドライバーを使って動きやすさ(固さ、緩さ)を調整できます。
ライダー目線での後方の見え方は下のようになりました。ミラーにはまだ保護フィルムが付いたままになっています。
比較対象として、Zefal Spy Mirrorをフォークに装着していた場合の見え方は下のようでした。車体後部や自身の脚が邪魔になっています。脚を閉じて普通に走行している状態でも、車がいるかどうかぐらいはなんとなく分かり、気になったら脚をがに股にしてよく見る必要がありました。
やはり、Spin Mirrorでの見えやすさが際立つ結果になりました。
グリップの交換
GIANT ESCAPE R DISCのグリップを交換しました。 純正ではESCAPE R ERGO LOCK-ON GRIPというグリップが装着されています。これもエルゴノミック形状で掌を楽に乗せられて快適なのですが、
- バーエンドがふさがっており、バーエンドに差し込むタイプのミラーが取り付けられない
- しかもエンド部分も内側が硬質プラスチックなため、簡単に穴あけ加工ができない。
- バーエンドがない、取り付けられない
のが不満でした。 交換したのはエルゴン GP3 ロング/ロング Lサイズです。
GP3 ロング/ロング|Grips グリップ|ERGON エルゴン
エルゴンのGPシリーズはGP1からGP5まであり、数字がバーエンドバーの長さを示しています。ロング/ロングは左右ともロングを示します。ショートはグリップシフター用です。サイズは太さを示していてSとLがあり、成人男性ならまずLサイズとのことでした。実際、私は小柄で手も大きくないほうですが、Lサイズでちょうどよかったです。
取り付けた感じは以下のようになります。 純正のESCAPE E ERGO LOCK-ON GRIPよりも、エルゴノミック形状がかなり大きく大胆でした。というか、エルゴンと比べると純正グリップは「一応エルゴノミック形状」レベルに感じられてしまいました。 トータルのグリップ長さがESCAPE E ERGO LOCK-ON GRIPよりも1 cmほど長かったので、ブレーキレバーとシフターを1 cmほどハンドル中央に寄せることになりました。
GP3のエンドバーによって、巡航中はロードバイクのドロップハンドルでいう「ブラケットポジション」に近いポジションをとることができます。フラットバーだと前傾姿勢を強める際に両ひじを外に突き出さなければなりませんが、掌の向きが90°回転することで、両ひじを前後方向に引き寄せるだけで前傾姿勢を強められるようになりました。 しかも、エンドバーを軽く握るポジションは掌底部分がしっかりエルゴノミック形状部分に乗るため、かなり楽でした。
また、別記事でも紹介しますが、バーエンドに取り付けるタイプのミラーもエンドバーを握っても邪魔にならないように取り付けることができました。
キャップ付きドリンクボトル
衛生意識も高まっている今日この頃、競技をするわけでもないので、衛生第一でキャップ付きのドリンクボトルが欲しくなりました。 これが意外となくて、MTBでドロドロになる用に数モデルがあるだけでした。 その中からこちらを購入しました。
キャップは片手だけで開けるのは難しいですが、走行中でも(安全を確保したうえで)膝で底を支えていれば片手で開けられます。 開閉部分はメカニカルなヒンジではなくそこだけプラスチック素材が薄くなっているタイプなので、ここが切れると寿命になるのだろうと思いました。
ボトル本体はかなり柔らかい方で、親指と人差し指でつまんだだけで簡単につぶれます。ドリンクを出しやすいと思います。
耐熱温度は40℃と記載されています。真夏に常温になってしまうと限度ギリギリということになります。感覚的にもいかにもそんな感じの柔らかさです。
"Made in HR" HRというのはクロアチア(クロアチア語でHrvatska)だそうです。知りませんでした。CRはコスタリカに取られてしまっていたんですね。
キャップ付きモデルのカラーバリエーションはブラックとクリアです。ブラックはすぐに中身が温まりそうなので避けました。 クリアはフレームデザインも選ばなそうです。